2026.08.17|川治メッセージ
進路相談 ― 未来を当てることより、未来が変わっても対応できる人になる。
勉強の延長線上で、進路相談を受けることがあります。 「将来、何になったらいいですか?」 たくさんの情報があふれている今、この質問に正面から答えるのは、本当に難しい。それが本音です。 教育業界で、これに明確に答えられる人は、どれくらいいるのでしょうか。 例えば、極端な話ですが「FAXを作ったり販売する会社には、入社しないほうがいい」とは、はっきり息子に話していました。※私が最初に入社した会社なので、あくまで例としてです。悪しからず。 近所のTS●●●●●がなくなったときは、個人的にはショックでしたが、レンタルDVDのお店も同じでしょう。Netflixが便利すぎます。 まず「何を選ぶか」ということで考えれば、成長している産業のほうがいいでしょう。 では「これから伸びる仕事は何ですか」と聞かれると、途端に難しくなります。 医療なのか、環境なのか、グローバルなのか、大企業なのか、公務員なのか、あるいは個人起業なのか。 今は伸びていても、10年後、20年後にどうなっているかなんて、どれだけ情報を集めても簡単には判断できません。 クリエイティブの世界も、医療も、士業も、そして「勉強を教える」という仕事も…これまで人間がやっていたことが、どんどんAIでできるようになっています。 では、若者たちに何を勧めればいいのでしょうか。 私は、質問そのものを変えたほうがいいのではないかと思っています。 「何になればいい」ではなく、「何ができる人になればいい」 例えば、医師、弁護士、会計士など、資格によって一定の業務が守られている仕事には、AI時代でも強みがあります。 専門資格を持つことは、一つの選択肢でしょう。 ただし、資格を取ったからといって安泰とは限りません。 弁護士の資格を持つ方々自身からも「資格は、保証書ではないんですよ」そんな言葉を聞きました。 だからこそ、資格(専門性)+実力 そして、もう一つ大切な視点なのが、希少価値だと思います。 誰でもできることは、価値が下がりやすい。 逆に、できる人が少ないことは、価値が残りやすい。 そして何より「この人に頼みたい」と言われる人は強い。 耳が痛いですが、これは私自身にも返ってくる話です。 例えば、今やっている学習塾。 勉強を教えるだけなら、安い価格で、しかも高いレベルでAIにもできるようになっています。 数学を解説する。英文を解説する。 こうしたことは、これからますますAIが得意になるでしょう。 だからこそ、私は「単に教える塾」ではなく、 重要な内容は、感情や熱意を込めて、印象に残るように伝える。 生徒が主体的に勉強できる環境をつくる。 継続できるようにマネジメントする。 うまくいかないときは修正方法を一緒に考える。 そして、実際に成績を上げ、自信や喜びを積み重ね、合格につなげていく。 つまり「教えること」以上に「成果につなげること」に力を入れています。 それは「知識を与えること」と「成果につなげること」は、別の役割だと考えているからです。 人間にしかできないことを考えながら、実際に結果を出し、責任を持つ。 私は、そこに自分たちが提供できる価値があると思っています。 もちろん「教育だから大丈夫」などとは思っていません。 自分の仕事だって、いつ必要とされなくなるか分からない。 そのくらいの危機感は持っていたいと思っています。
話を冒頭に戻すと、だから「一発逆転」を勧めるつもりはありません。 「この仕事が将来伸びる」そんな予測に人生を賭けるより、 自分に専門性を身につける。必要であれば、希少価値の高い資格を取得する。そして、その専門性を土台に、学び継続して経験を積む。結果、人から信頼される。 そして、自分にしかできないことを少しずつ増やしていく。 そのほうが、人生では強いのではないでしょうか。 進路相談で「将来、何になったらいいですか?」 と聞かれたら、私はこう答えたいと思います。 「職業を選ぶことより、何ができる人になるかを考えよう。」 医師になっても、患者から信頼されなければ弱い。 教師になっても、生徒の成長につなげられなければ弱い。 会社員でも「この人がいないと困る」と言われる人は強い。 そして、これはAIの時代になっても、おそらく変わらない。 AIに負けない仕事を探すのではなく、AIを使ってもなお「あなたに頼みたい」と言われる人になる。 未来の仕事は、誰にも分かりません。 だからこそ「何になるか」以上に「何ができる人になるか」を大切にしたいと思っています。 そして、そのために結局、一番大切なのは、学び続けること。それを習慣にすること。 一日だけ頑張るのではなく、毎日少しずつ積み重ねる。 知識を増やし、経験を積み、失敗したら修正する。 その繰り返しが、いつの間にか「自分にしかできないこと」につながっていく。 未来を当てることより、未来が変わっても対応できる人になる。 若者たちとそんなことを一緒に話しながら、これからも進路を考えていきたいと思っています。 夢や進路を考えるって、深いですね。全然、言いたいことが書ききれません(涙)
